社員はなぜすぐ辞めるのか?

ある会社の社長から、相談の冒頭で、こんな質問を受けました。

わが社の社員は入社してもすぐ辞めてしまう。なぜか。

正直言って、目が点になってしまいました。

初対面でありながら、そのような質問を受けたわけです。毎日、その社員に接している社長に分からないことが、コンサルタントには分かると考えていたようです。

実を言うと、このような相談は少なくありません。

社員が辞める理由など、会社によっても、社員によっても違います。同じ会社でも、辞める人と辞めない人がいるわけですから、「その人がその会社で何があったのか」が問題なわけです。

ですから、筆者なりに、唯一共通の理由をあげるとするならば、

まさにそのような質問をしていることが理由である

と申し上げたいと思います。

社長は一般論を聞きたいのかもしれません。ただ、そういうアンケート調査はよく行われており、Webで検索すればすぐに出てきます。一定の解説を見ることもできます。

そうした一般論は、参考になる場合もありますが、本質は分かりません。原因を分類する視点を与えるだけです。

やはり、わが社の社員がなかなか定着しないというのであれば、わが社で辞める理由を知らなければなりません。

社長がそれを知らず、初対面の人間にそれを教えてもらおうとしているのであれば、社長が日頃社員に関心をもっておらず、社員の声に耳を傾けていない証拠です。

よくある離職理由

アンケート調査などの結果を見ると、概ね次の3つの理由があげられます。

  1. 仕事が合わない
  2. 人間関係の問題
  3. 労働条件が悪い

これらは、かなり普遍的です。調査時期や対象によって、あるいは聞き方によってニュアンスが違ったり、順位が違ったりすることはありますが、ほとんどこの3つに収斂されます。

しかし、見たら分かりますが、これらは会社側の問題を含む可能性がある離職理由のほぼすべてです。これら以外は、概ね社員側の個人的理由です。

ですから、これを知ったところで、ほとんど参考にはなりません。単に理由を分類するための区分にしかすぎません。

しかも、これらの理由は、建前と本音が絡んで、複合的になっている場合もあります。

ですから、これらの区分を参考にしつつも、自社の理由を把握し、分析し、自社の本当の問題を理解したうえで対処しなければ効果がありません。

なお、筆者は、これまで労働者からの相談を多く受けてきた経験から、多少なりとも離職者の本音を聞いてきたと言うことができます。

アンケートではなかなか分からない点も含め、自社の問題を明らかにするうえで参考にしていただけると考えています。

仕事が合わない

「仕事内容のミスマッチ」と表現されることも多いですが、この理由は曲者です。いくつかの場合があります。

期待していた仕事と違う

文字どおり理解すると、「期待していた仕事と違っていた」という意味です。確かに、そういう場合も多いようです。

この場合に考えられる典型的な原因が、募集・採用時の情報不足です。これは非常に多いです。

求人票などの求人情報を見ても、仕事内容の説明は非常に簡単です。詳しいことがほとんど分かりません。ですから、一般常識で想像するしかありません。

会社は、求職者は給与などの労働条件を重視していると思い込んでいますから、肝心な仕事の内容を詳しく説明しようという意識がほとんどありません。労働条件ばかりを強調しています。

求人情報は、特に中小企業の場合、仕事そのものに関わる情報が圧倒的に不足していると言わざるを得ません。入口の段階で、仕事のミスマッチを必然的に引き起こす条件が整ってしまっています。

会社の側が労働条件で選ばせておきながら、「最近の社員は給料が安いと言って直ぐ辞める」という社長がいるのです。給料で会社を選んだ社員は、給料を理由に辞めていって当然です。

(参考:「あなたの会社はなぜ社員を採用できないのか?」

仕事がよく分からない

仕事がよく分からず、うまく成果が出せない状態が続いた結果、「自分にはこの仕事が合わない」と受け止める場合があります。

原因は、マニュアルが整備されておらず、教育訓練も不十分なことです。会社は経験者を中途採用したと思っている場合であっても、このようなことは起こります。同じような職種であっても、会社によってやり方が違うからです。

会社の既存社員は、日々当たり前に仕事をしているため、当人の立場に立って教えてあげられないことが多いです。そういう会社に限って、マニュアルを軽視しています。さらに悪いことに、人によって言うことが違います。

十分に教えてもらえずに仕事して、間違ったり、失敗したりすると叱られるわけです。事前に教えてもらっていないことで叱られるわけですから、この不満とストレスは非常に大きいです。現に、このような相談は多いです。

「そんなことは教えてもらっていません」と言うと、「そんなの常識だろ」と罵られたりすることさえあります。これは人格攻撃です。「お前は常識がない」と言われているわけですから。

この問題は、次の「人間関係の問題」として取り上げられる場合もあります。特に若い人の場合、「仕事をちゃんと教えてくれない」ということを、いじめや嫌がらせと捉えることが少なくないからです。

「分からなければ聞けばいい」と思うかもしれませんが、自分からはなかなか聞けず、「自分は放っておかれている」と感じている若い人は少なくありません。採用されたばかりの人は聞きづらいということを理解しなければなりません。

(参考:「警告:これって社員いじめになりますよ!」

結果責任だけを問われる

上記の「仕事を教えてもらえない」ことと関連します。

「仕事がよく分からない」状態で、結果責任ばかりを問われ、さらには厳しいノルマを課せられるということが、離職理由になる場合もあります。

ノルマを達成できなかったら厳しく叱責され、場合によっては減給の制裁もあります。「具体的に何がいけなかったのか」、「どうすればよかったのか」、「今後どうすればノルマを達成できるようになるのか」を教えてくれるわけでもなく、「自分で考えろ」としか言れないこともあります。

このような状況で離職する人は、「仕事が合わない」という理由をあげる場合もあれば、「人間関係の問題」という理由をあげる場合もあります。これも、いじめや嫌がらせと捉えられるわけです。

(参考:「職場での今どきのいじめ事情」

人間関係の問題

人間関係によるストレスを理由とするものです。

先に述べたとおり、「仕事が合わない」という理由と複合していることがあります。

いわゆるブラック企業としか思えないような、本当に酷いいじめや嫌がらせをしている例は論外ですが、図らずもそのように捉えられている例も多いということを理解しなければなりません。

原因は、業務説明や教育の不足を含めた不十分なコミュニケーションです。特に若い人が、コミュニケーションが不足していることをもって、いじめや嫌がらせと捉えてしまっている例が増えていると感じられます。

労働条件が悪い

「労働条件が悪い」というのは、本来、起こり得ないことです。労働条件は、募集・採用の際に明示されなければならず、重要な条件は書面で提示することも義務づけられているからです。

求職者は、事前に労働条件の説明を十分に受け、その内容を受け入れるかどうかを検討したうえで、入社するかどうかを決めることができなければなりません。

それなのに、採用後に「労働条件の悪さ」を理由に辞めていくわけです。

労働条件が事前に明示されない

要するに、労働条件を事前にちゃんと明示していないのです。

企業の側は情報を出し惜しみして、曖昧にしたがります。求職者の方も、あまり根掘り葉掘り聞き出そうとして嫌がられたくないから、ほどほどにしか聞こうとしません。

だから、採用後にトラブルになります。

採用前に一通りの説明を受けていたと思っていても、採用後に、全く説明がなかったようなことを当たり前のように言われることがあります。

(参考:「労働問題が起きやすい理由」

労働条件が事前の説明と違う

採用後の労働条件が、求人票などで事前に説明されていた内容と違うということは非常に多いです。

社員が「事前の説明と違う」と言うと、「事前の説明は標準的なものだから」などと平気で言ったりしています。これは「嘘をついた」ということであり、れっきとした「詐欺」です。

書面で明示すべき重要な労働条件を口頭で説明しておき、実態と違っていた場合に、「そんなことは言っていない」と言う場合もあります。これは嘘なのですが、書面で示していないため、どうせ証拠がないと思って、意図的にやるわけです。

特にごまかす例で多いのが、固定残業制です。求人票などで、例えば「月額25万円」と明示しておきながら、実態は、何十時間かの残業代が込みの金額であったことが後で分かるというものです。給与を高く見せるためにごまかしているわけですが、これも違法です。

事前に書面で固定残業代のことが明示されていなければ、固定残業代は含まれないと理解されます。固定残業制であれば、あらかじめ何時間分の固定残業代がいくら含まれているかを示さなければなりません。

有給休暇の問題もよくあります。法律上、有給休暇は与える必要があるため、制度上は設けており、求人票などにもそう書いてあるのですが、実際に取ろうとすると、「うちの会社では取らないのが常識だ」と言ったり、「理由は何だ」、「そんな理由では取らせない」などと言ったりします。これらも違法です。

将来が期待できない

「労働条件が悪い」とまでは言い切れないかもしれませんが、労働条件に関わりがあることとして、「その会社にいても将来が期待できない」と感じて辞める場合もあります。

例えば、「自分の能力を高められそうにない」、「成長できそうにない」といったことがあります。会社が社員教育をしっかりやろうという姿勢をもっていない場合です。

「昇進や昇給が望めない」ということもあります。そもそも「昇進や昇給の機会がない」という場合もありますが、あったとしても「どう努力したら昇進し、昇給してもらえるのかがはっきりしていない」という場合もあります。要するに、明確な根拠もなく、社長のお手盛りや思いつきで昇進や昇給を行っているわけです。

本音と建前

退職理由には、本音と建前があります。ただし、建前は無視して、本音だけに対処すればよいとも限りません。たとえ本音であっても理由が複合的で、そのうち差し障りのない理由だけを明言する場合があるからです。

離職理由として「給与が安い」ということをあげる例は少なくありません。それ自体は嘘でなくても、さらにその奥に別の理由があることも多いので注意が必要です。仕事の内容や方法、人間関係、労働条件などが根本的な理由であることを隠し、説明しやすい給与の話をしているだけの場合があるからです。

例えば、「こんな安い給料で、こんな仕事やってられない」とか、「たったこれだけの給料で、こんな会社で働いてられない」と思っていることがあります。

明らかに別の理由が背後にあります。「こんな仕事」や「こんな会社」が何を意味しているのか、その意味が本当の理由です。それは一般論ではなく、その人が感じている理由を知らなければなりません。

対策

上記の離職理由は、あくまで一般論でしかありません。参考にはなるかもしれませんが、自社で社員が辞めていく本当の理由を知らなければ、根本的な解決にはなりません。

離職者には、真摯にヒアリングし、たとえ止めることはできなくても、離職の本当の理由を聞き出そうと努力しなければなりません。離職者と親しかった同僚にも本音を聞く努力をすべきです。

なお、ここで提案する対策は、一般論を踏まえ、採用した社員がなるべく定着してくれるような基礎をつくろうとするものです。

ただし、社員が辞めていく本当の理由を事前に察知して、対処できるような環境をつくることにもつながることは間違いありません。

採用前の詳しい情報提供

「仕事が合わない」とか「労働条件が悪い」といった理由は、明らかな情報提供不足です。

特に中小企業の求人情報は、情報が少なすぎます。できるだけ隠そうとさえする企業もあります。情報を出しすぎると、応募者が減ると思っている企業が意外と多いのです。

なぜ応募者が減ると思うのでしょうか。自分の企業に自信がないか、やましいことがあるかのどちらかでしょう。だから、情報を出しすぎると、企業の実態が赤裸々になって、応募したいと思わなくなると思っているのでしょう。

その発想は明らかにおかしいです。実際に採用したら分かることを事前に隠しておいて、事前に知っていれば応募しなかったような人を採用してしまったらどうなるでしょうか。結局、辞めていくのです。

募集・採用の努力はすべて無駄になります。採用された人にとっても、無駄な時間と労力を消費したことになります。

「採用してしまえば、不満でも何とかなるだろう」という考えをもっている社長も多いようですが、実際は、何ともなりません。実際に社員が定着していないのなら、その考えに根拠は全くありません。最初から不審感を植えつけることになります。

しばらくは、生活のために我慢するかもしれませんが、少しでもよい条件の会社が見つかれば、すぐに移ってしまうでしょう。

どんな情報を出すべきかは、応募者が何を知りたいと考えているかによります。もっとも参考になるのは、最近自社で採用した人材に、「どのような情報が採用の決め手になったか」、「どのような情報があるとよいと思ったか」を聞いてみることです。

労働条件

労働条件は、法令を満たした内容を、法令に従って漏れなく明示しなければなりません。重要な条件は、書面で明示することが求められています。

(参考:「労働問題が起きやすい理由」

これは最低限必要なことです。

会社、事業、仕事

会社のこと、事業の内容、募集している仕事の内容などをできるだけ詳しく情報提供します。

ちなみに、筆者が必要と考えるのは、次のような情報です。

  • わが社はどのような会社で、どのような事業を行っているか。
  • わが社の使命、ビジョン、理念は何か。
  • わが社の顧客は誰か、どのような顧客ニーズに対応しようとしているか。
  • わが社の製品やサービスはどのようなもので、どのような特徴があるか。
  • 取引先はどのようなところか。
  • 経営者はどのような人で、どのような考え方を持っているか。
  • 組織にどのような特徴があるか。
  • 一緒に働くのはどのような人たちか。
  • あなた(求職者)にやってほしい仕事はどのようなものか。
  • その仕事のレベルはどの程度か(必要な能力、資格、経験など)。
  • その他、わが社が社員に求めるものは何か。
  • わが社にはどのような評価・報奨制度があるか。
  • わが社に入ったらどのようなキャリアパスや教育訓練が用意されているか。

「情報が多すぎる」とお考えでしょうか。「そんな情報は用意していない」と仰るでしょうか。

はっきり申し上げて、これらの情報は、事業を行い、人を雇おうとしている企業であれば、当然にもつべき情報です。

これらの情報を自信をもって語れないということが、良い人材を採用できず、定着させられない理由であるといっても過言ではありません。

(参考:「あなたの会社はなぜ社員を採用できないのか?」

社員は、会社に自分と家族の人生を預けます。

「わが社はいったいどんな会社なのか」をはっきりとさせる努力をし、社員が、自社で働くことに誇りをもち、将来を託す価値があると思ってもらえるようにしなければなりません。

そこからしか、良い人材を採用して、定着させる方法はありません。

なるべく詳しい情報を求人情報として提供したうえで、採用面接では、真摯に質問に対応しなければなりません。

とにかく、質問に嫌々答える企業が多いです。「質問そのものがけしからん」という態度をとる企業さえあります。求職者には選ぶ権利がないかのように振る舞う企業が未だに少なくないのです。

採用というのは、双方が自由意思で合意して成立する契約ですから、双方に選択の自由と権利があることを忘れてはいけません。人手不足が深刻になっている現状では、なおさら注意しなければなりません。

福利厚生制度

最近は「働き方改革」などと叫ばれているため、社員の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図るための様々な制度の導入が推奨されています。

有給休暇制度、育児・介護休業制度、子の看護休暇制度など、法令で義務づけられた制度は、必ず設けなければなりません。

それ以外の制度は、他社がやっているからといって、制度だけを真似してもうまく行きません。社員の要望を聞き、よく相談したうえで、自社にとって相応しいものを導入しなければなりません。

(参考:「社長、『従業員満足』で本当に満足してますか?」

採用後のフォロー

求職者にしてみれば、採用前に「知るべき情報が何か」をすべて分かっているわけではありません。採用されて初めて「これは事前に知っておくべきだった」と気づく場合もあります。

ですから、採用した社員には、しばらくの間、定期的にヒアリングをする方がよいでしょう。「募集時に参考になった情報」や「募集時にあるとよかった情報」などをヒアリングし、疑問や不安を早いうちに解決してあげるべきです。このようなヒアリングの結果は、今後の募集・採用にも生かすことができます。

採用後の教育は決しておろそかにしてはいけません。たとえ中途採用で経験者を採用したと思っても、丁寧に行うべきです。仕事のやり方は会社によって違うからです。

先に述べたとおり、採用の担当者や責任者は、定期的にヒアリングすることが望ましいですが、それとは別に、指導・サポート役(なるべく同年代の人)を指名し、新規採用者につけた方がよいです。

新規採用者は、当然、採用当初は不安です。いろんな疑問も湧きます。会社の側は「困ったときは、いつでも相談すればよい」と思っているでしょうが、新規採用者にとってはそれほど気軽に何でも相談できるとは限りません。

ですから、指導・サポート役が指名され、いつでも相談に乘ってくれるという状態になっていると、とても安心できます。そういう状態をつくってくれているだけでも、会社を信頼でき、不安が和らぎます。

約束は必ず守る

「約束を守る」など当然だと思われるでしょうか。

ところが、労働者からの相談を受けていると、約束を平気で破る経営者が呆れるほど多いのです。

明示した労働条件を守らない、例えば、約束した給料よりも低い額しか支給されない、有給休暇が取れない、交通費が支給されないなどは、当たり前のように頻発しています。

例えば、給料で言うと、「約束した額は将来の額であって、しばらくは試用期間だから、少ないのは当然だ」などと言ったりします。試用期間があることも、試用期間中の給料の額も、事前に全く説明がなかったわけです。

このような会社で「社員が定着しない」のは当たり前です。

積極的なコミュニケーション

日頃のコミュニケーションは当然に大事なのですが、特に若い人の場合には重要です。

繰り返しになりますが、会社の側は別にコミュニケーションを拒絶しているわけではなく、相談にはいつでも応じるつもりでいたとしても、相手の接触を待っているだけだと、「無視されている」とか「放っておかれている」と感じる人たちがいます。そして、それを「いじめ」と捉える人たちがいます。特に若い人の中に多いように感じます。

なぜ若い人にそのような人たちが多いのかについて、科学的根拠を示すことはできませんが、非常に説得力のある意見を聞きました。ある高校の先生からうかがったお話です。

最近の子供たちには、少子化の影響もあって、学校や塾では個別指導が非常に盛んです。マンツーマンあるいは少数指導体制で、個人の能力に応じて、オーダーメイドのカリキュラムで指導します。

一般に、集団指導よりも、個別指導の方が学力が上がると考えられています。

ところが、せっかく個別指導で志望大学に合格したのに、大学を中途退学する人が増えていると言うのです。要するに、個別指導でずっと手取り足取り指導をされてきたため、自分で目的をもって主体的に学習する姿勢が身についていないのです。

大学では、学部や学科ごとに必須科目は決められていても、科目選択に自由度があります。自由に選べと言われると、決めることができず、混乱し、辞めてしまうわけです。

ですから、大学の講師をしている方から聞いたところによると、最近の大学では、自分で選べない人が増えているため、大学側で決めてあげるということもやっているようです。

こういった問題が、上記に述べた若い人たちの姿勢に反映されているのかもしれません。

個別指導がいけないというより、何でも手取り足取りやってあげるのが問題で、本人が主体的に考え、行動できるような方法が必要になるのでしょう。

集団指導も捨てたものではないということが分かります。共通カリキュラムによる一斉授業は、生徒の個性を無視しているといった意見がよく出されますが、必ずしもそうではないと思います。

一方的に教えられる授業の中で、何が大事か、何が分かり、何が分からないかを選別し、予習や復習で自らフォローすること、分からないところを整理して自ら先生に聞きに行くことなど、「自ら学び取る」という姿勢を身につけることもできます。そのような姿勢が、仕事に役立っていくと思います。

ですから、特に若い人の場合、積極的に声をかけることが必要です。

もちろん、個人差はあります。若い人でも社交的で、積極的に自分からコミュニケーションを図ろうとする人はいますので、そのような人だということが分かれば、しつこく声をかける必要はないでしょう。

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