組織の規模と構造、戦略の間には密接な関係があります。組織の規模に応じて、取るべき組織構造や戦略が変わってきます。
規模には適正というものがあります。つまり、それ以下では存続できない最小規模の限界と、それを超えると繁栄できない最大規模の限界があるということです。
規模は連続的な変化ではなく、一定点で飛躍的な変化を起こします。それは、量的な変化ではなく質的な変化です。複雑性の増大を意味します。
組織が大きくなれば、中身の大部分は外部環境から遠ざかります。そのため、内部の専門分化が進み、内部情報が増大します。その結果、内部情報を流し、方向づけを行い、フィードバックを行うための機関が複雑になってきます。
規模と複雑さは相互に作用しますので、規模に応じて組織構造も変えなければなりません。
規模と戦略も相互に作用します。規模によって、できることとできないことが変わってくるからです。規模に応じた戦略を考える必要があります。
組織の適正な規模は、産業や市場によって異なります。自らの組織にとっての適正な規模を知り、現在の規模が適正かどうかを判断できなければなりません。
自らの組織の規模を知り、適正化し、それに適した戦略を構築し、その戦略が成果をあげるための組織構造を選択しなければなりません。
ドラッカーは、組織の規模と複雑さに関して、考えるべきマネジメントの方向性を5つ指摘しています。
規模のマネジメント
自らの産業や市場において適正な規模を知り、自らの組織の現在の規模を知らなければ、相応しい戦略や組織構造を選択することができません。
- 規模が大きいということは、どれだけの大きさか。
- どの程度の規模が適切な大きさであり、不適切な大きさか。
- それ以上の成長が望ましくない規模の限界はどこか。
- 戦略にとって規模はどのような意味を持つか。
規模のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
複雑さと多様性のマネジメント
組織が一定の規模に達すると、質的に変化し、急激に複雑さが増大します。場合によっては、マネジメント不能に陥ります。
複雑であることの意味を理解する必要があります。
- 複雑ということは、どれだけの複雑さか。
- 複雑すぎるということは、どれだけの複雑さか。
- 複雑さがもたらす問題は何か。
- 同族企業に限界はあるか。
- 同族企業は永続できるか。
- 同族企業は中小企業の域を脱することができるか。
- 同族企業の限界は何か。
同族企業のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
グローバル企業のマネジメント
グローバル企業は、規模、市場、製品、技術の複雑さのほか、特有の問題として、文化と政治的要因の複雑さを持っています。
グローバル化のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
変化と成長のマネジメント
変化や成長は、自然に実現し、自然に解決されるものではありません。体系的な取組みによってマネジメントしなければなりません。
- 変化と成長がどの段階に達したら、マネジメントは自らの特性、構造、行動を変えなければならないか。
- 組織に余計な負荷をかけずに、どのようにして変化と成長を可能にするか。
成長のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
イノベーションのマネジメント
激変する世界の中では、組織の生存はイノベーションの能力にかかっています。
イノベーションができなければ、現状維持どころか存続すらできません。
- イノベーション志向であるためには、組織はいかになければならないか。
- イノベーション志向であるためには、いかなる構造を持ち、マネジメントされなければならないか。
イノベーションのマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。