カテゴリー: 組織

組織における「職務」、「責任」、「義務」、「権限」の関係

経営において、「権限委譲」が大切であるということは、一般的に言われています。

顧客ニーズや技術など、経営環境の変化が激しい現代において、かつてのピラミッド型の組織では迅速に対応することができないため、組織をフラット化し、あるいはチーム型にし、大幅に権限を委譲する必要があると言われます。

しかし、この場合の「権限」とは一体何を意味しているのでしょうか?

権限委譲というからには、それ以前には、職務を命令されても権限が与えられていなかったということになるのでしょうか?

職務が与えられるということは、当然、職務を遂行する義務が課されるということになるはずですが、権限がなくて、そもそも職務が全うできるのでしょうか?

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組織に活を入れる − Y理論の実践例

ロバート・タウンゼンドは米国の元海軍砲術士官で、アメリカン・エクスプレスの副社長を経て、当時無名のレンタカー会社であったエイビスの経営者として、数年のうちに同社を業界No.2の規模に躍進させました。

彼は、会社からX理論を徹底的に排除し、Y理論を徹底的に実践した経営者であり、その成果を書籍『UP THE ORGANIZATION』(邦訳:『組織に活を入れろ』)にまとめました。

本書は後に改訂され、『FURTHER UP THE ORGANIZATION』(邦訳『こんなトップは辞表を出せ − 組織に活を入れる法』)として改めて出版されています。

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理想のチームプレーヤーとは?

理想のチームワークを実現するためには、それを可能とする適切な人材によってチームを構成する必要があります。

アメリカの経営コンサルタントであるパトリック・レンシオーニによると、そのような人材が持つべき美徳は、①謙虚、②ハングリー、③スマートです。

ありきたりに思えるかもしれませんが、大事なことは、この3つの美徳をすべて兼ね備えている必要があるということです。

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経営チームが陥りやすい5つの落とし穴

アメリカの経営コンサルタントであるパトリック・レンシオーニによると、組織がチームワークの実現に失敗するのは、自然ではあるものの危険な5つの落とし穴に、気づかないうちに陥ってしまうからです。この5つの落とし穴を、「チームの5つの機能不全」と呼んでいます。

  1. 信頼の欠如
  2. 衝突への恐怖
  3. 責任感の不足
  4. 説明責任の回避
  5. 結果への無関心

これらは相互に関係しており、一つでも脆い部分があれば、チームの成功は絶望的になる可能性もあるといいます。

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健全な組織とは?

アメリカの経営コンサルタントであるパトリック・レンシオーニによると、成功している組織には、共通する2つの特質があるといいます。①賢明であること、②健全であることです。

組織が賢明であるとは、競争優位につながる事業戦略、マーケティング・プラン、製品機能、財務モデルを策定できることです。組織が健全であるとは、勢力争いも混乱もなく、社員の士気が高く、離職率が低く、生産性が高いことです。

問題は、多くのリーダーが組織を賢明にすることに時間とエネルギーの大半を費やし、組織を健全にすることにあまり熱心でないことです。

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