断絶の時代

「断絶の時代」とは、ドラッカーが1968年に執筆した書籍のタイトルです。本書は、社会の根底で起こりつつある変化、すでに起こった断絶を明らかにしようとしたものです。

ドラッカーの言う「断絶」とは、社会の文明における根源の変化です。地球に喩えると、地殻の変動に相当するような変化です。地面の下で静かに進行し、いずれ地震や噴火として地表に現れて、地形を変えていきます。

ドラッカーによると、1965年から73年の間のどこかで、次の4つの断絶が起こりました。

  • 新技術、新産業の出現
  • グローバル化と南北問題の顕在化
  • 政治と社会の多元化
  • 知識社会の出現と社会的責任への意識の高まり

断絶の影響による変化は、50年ほど続くと言います。ドラッカーは、1968年の書籍で、この断絶をいち早く警告しましたが、その後の時間の経過が、ドラッカーの警告を現実のものとしてきました。

1989年には、本書の続編である『新しい現実』を出版し、断絶の時代が約20年にわたって生み出してきた変化について述べるとともに、これまでに起こった歴史上の断絶を概観しています。

1973年頃に起こった4つの断絶の概要は、次の各記事でお読みいただけます。