国際通貨基金(IMF)のグローバリズム・イデオロギーの背景にある「ワシントン・コンセンサス」には三本の柱があり、その一つが自由化です。
自由化とは、金融市場、資本市場、貿易障壁への政府介入を排除することです。経済成長は自由化を通じて実現されると説かれます。
民営化、自由化、マクロ安定は、投資を引きつける環境をつくり、投資は成長を生み出すとされます。外国の事業は専門技術と外国市場への参入の機会をもたらし、新しい雇用の可能性を創出します。
外国の会社は新たな金融機関とのつながりをも意味します。地元の金融機関に力のない発展途上国では、これは特に重要なことです。
とはいえ、マイナス面があることも事実です。外国企業が参入してくると、地元の競合企業は潰れ、地場産業を発達させようとしていた小さい事業家の抱負は砕かれます。
確かに、発展途上国の貧しい人々にとって、より効率よく品物とサービスが提供されることは、彼らのほとんどが生存ぎりぎりの生活をしている事実を考えれば、何よりも重要なことです。
問題は、強力で、有効に施行された法律がないと、地元の競争相手を圧倒した国際企業は独占力を使って価格を引き上げることです。低価格の恩恵が受けられるのは束の間に過ぎません。
問題の一つはペースにあります。地元の事業者は、時間さえ貰えれば競争に対応できるし、品物を効率よく生産することもできると言うでしょう。地元産業を維持することは、地元社会を経済的、社会的に強化するうえで重要であるはずです。
このような保護政策の問題は、一時的であったはずのものが、そのままずっと残ってしまうことですから、段階的な解除をあらかじめ準備しておくことも必要です。