意思決定の論理性 − バーナードの組織論⑱

公式組織の本質は、目的に対する手段を熟慮した上で採用すること、すなわち意思決定です。意思決定行為が、個人行動と対比して組織行動を特徴づけるものです。

組織の意思決定は、伝達ラインの職位に配分され、責任と共に委譲されます。管理者の役割の特徴は、彼らが組織的意思決定過程の専門化を表していることです。これが管理者職能の本質です。

意思決定においては、達成されるべき「目的」と用いられるべき「手段」が問題になります。それらの決定は、定式化された手順と権威ある立場による決定という論理的過程を経ることが一般的です。

意思決定における論理的過程

意思決定においては、達成されるべき「目的」と用いられるべき「手段」が問題になります。

目的と手段は、論理的過程において立場を変えてつながっており、ある目的は、より広い、あるいは、より遠い目的のための手段となります。

最も上位の組織目的は、必ずしも何らかの論理的帰結として決まるとは限りませんが、通常定式化されなければならないため、意思決定過程そのものは論理的過程を経ることが一般的です。つまり、客観的に確認できるような定式化された手順と権威ある立場による決定がなされるということです。

目的が定まると、手段に関する決定は、識別、分析、選択という論理的過程です。事実の識別と、調整に当然含まれる専門化による行為の割当とは、組織の論理的ないし意識的な思考過程です。

組織行為は、専門化による割当によって、最終的には個人の行為として実行されます。それは個人的でない目的を達成する手段の意識的な選択ですので、一般に論理的です。

重要なことは、個人行為とは対照的に、組織行為が論理的過程によって特徴づけられるということ、および意思決定が組織において専門化されるということです。

つまり、公式組織の本質は、目的に対する手段を熟慮した上で採用することです。このことは、協働を個人の生理的な力や感覚よりも卓越したものにするために必要なことであり、個人行為よりも協働行為のほうが勝っている主な理由でもあります。

意思決定行為が、個人行動と対照してみるとき、組織行動を特徴づけるものであり、意思決定過程の記述が、個人の場合よりも組織行動を理解するのに比較的により重要であるということができます。

意思決定の配分と専門化

組織における意思決定は、経験的観察が可能です。組織目的ないし目標の定式化の過程と、目的を実行に移す過程とに含まれる意思決定は、組織内で配分されます。個人に集中あるいは専門化することはできません。

組織内伝達の公式的構造と権威の基底には、伝達ラインの職位全般にわたって配分されている相互作用的な意思決定過程があります。これが、協働体系の諸要素を総合して具体的体系にまとめる組織行為の本質的過程です。

協働的努力は、2つの意思決定行為を含みます。一つは、努力を貢献するかどうかに関する個人の意思決定です。この意思決定は、協働体系の外部にあります。もう一つは、非人格的な組織の意思決定です。

後者の意思決定行為は、個人によってなされるとしても、その意図と効果に組織的なものですから、非人格的です。その過程においても組織的であることが多く、この意思決定行為は組織の一部です。

組織的意思決定はしばしば委譲されます。組織における重要な意思決定は、最終的には一人の責任で行われようとも、その補助的意思決定は組織的に行為する数人の異なる人々によって行われます。意思決定の執行にも、ほとんど常に複数の異なる人々がその後の細部的決定をします。

組織的意思決定に対する責任は、割り当てられて初めて個人的責任となります。意思決定の適否は、事実と組織目的とに関する知識に依存し、したがって組織の伝達と結びついているので、組織的意思決定に対する責任は、多くの場合、積極的かつ明確に割り当てられる必要があります。

したがって、中心的ないし一般的な組織的意思決定は、組織伝達体系の諸センターで最も正しくなされ、その中心的職位にある人々(管理者)に担当させる必要があります。

要するに、管理者の役割の特徴は、彼らが組織的意思決定過程の専門化を表していることです。これが管理者職能の本質です。