マネジメントを語るときに中心となる観点(コンセプト)は、古典的には、次の7つであったといいます。
- 生産性向上のための科学的管理法
- 組織構造としての連邦分権組織
- 人を組織に適合させるための人事管理
- 明日のためのマネジメント開発
- 管理会計
- マーケティング
- 長期プランニング
現在でも重要なものばかりであり、ドラッカーもこれらについて議論していますが、ドラッカー独自の修正を加えています。
加えて、新しいニーズとしてドラッカーが強調したのは、次の4つです。
- マネジャーは企業家(起業家)でなければならない、すなわち、イノベーションのための組織を作り、動かさなければならない。
- 企業以外の組織をマネジメントし、成果をあげなければならない。
- 知識の生産性を高めなければならない。
- 企業のマネジメントのグローバル化
多くの論者は、一つのコンセプトに焦点を絞って研究し、議論することがほとんどでした。そして、それぞれの議論において、それがマネジメントという一つの体系的な機能の一側面であるという認識でなされることはなかったと考えられます。
ドラッカーの偉大な功績の一つは、過去に個々のコンセプトを中心になされてきた研究や意見を、マネジメント論として統合し、体系化したことです。その過程で、ドラッカーの研究に基づく修正も随所に施されています。
現代の組織では、知識労働者が基礎的な資源であり、投資の対象であり、コストセンターでもあります。
知識の生産性を高めるうえでは、知識労働者が体系的な教育から学び取るもの(コンセプトと理論)によって働く存在であることを前提とする必要があります。
ドラッカーも、概ね上記のコンセプトに基づいて議論を展開しています。このWebサイトでも、これらのコンセプトを中心に、様々な説明をしていきたいと思います。