組織別のマネジメント

組織には様々な種類がありますが、ドラッカーは、マネジメントの観点から、大きく、「企業」と「企業以外」に分けていると思います。また、後者をさらに「公的機関」と「サービス機関」に分けています。

マネジメントの役割は3つありますが、そのうちの第1の役割、すなわち「自らの組織に特有の目的と使命を果たす」という役割の違いが、組織の種類を分けます。

いわゆる「本業として何をやっているか」の違いですので、組織の存在目的、価値観、目標、成果のあげ方の違いに関わります。この違いが、マネジメントの違いを生みます。

企業のマネジメント

企業を他の組織と分けるもの、すなわち企業の目的は、ドラッカーによると「顧客の創造」です。「顧客」とは、企業が提供する財やサービスを、お金を払ってでも手に入れ、満足を得ようとする人たちです。

したがって、顧客を創造した結果、企業が得るものが「経済的成果」すなわち「利益」です。利益は、顧客が満足した証として支払った対価の集積であり、企業の成果を測る成績表です。

顧客を創造するために必要な基本的機能が、マーケティングとイノベーションです。もちろん、それらの基本的機能を支えるためのさまざまな機能も付随します。ですから、企業を特徴づけるマネジメントは、このマーケティングとイノベーションに関わってきます。

企業のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。

公的機関とサービス機関のマネジメント

企業は組織の代表といってもよいほど定着していますが、現代社会では、むしろ公的機関やサービス機関(「公的・サービス機関」と総称します。)の方が成長部門と言えます。

しかし、成果という面では未だ十分ではなく、不満や不信の対象となっています。成果をあげるべく適切にマネジメントされていないからです。

公的・サービス機関のマネジメントについて詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。