「分析」という言葉は、ドラッカーの書籍で至るところに出てきます。すべからく仕事において、分析を重視していると言えます。
「分析」の一般的な意味は、 複雑な事柄を一つひとつの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすることです。
「分析」の一般的な意味
包括的な意味での分析
「分析」という言葉を辞書等で調べると、一般的な意味としては、「複雑な事柄を一つひとつの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること」を意味します。
分析の対象となる事象が同じであっても、分析の目的によって、どのような要素や成分に分けるかは異なってきます。
化学的な分析
化学的には、物質の組成を調べ、その成分の種類や量の割合を明らかにすることを意味します。
この意味が、最も馴染みが深いかもしれません。
データ分析
様々なデータ(通常はコンピュータに保存)について、いろいろな基準で分類、並べ替え、抽出、加工(データ同士の計算など)などを行います。
多くの場合、それらの結果を表やグラフに視覚化し、一定の解釈を行ったり、新たな知見を得たりして、何らかの意思決定に活用します。
ドラッカーが使う「分析」の意味
ドラッカーは、データ分析の意味も含め、 包括的な意味で使っていると思います。
もう少し大雑把な解釈をすると、「対象とする事象について、考えられるあらゆる側面や視点から見ることで、全体をよく理解すること」という言い方もできるのではないかと思います。
ドラッカーは、分析の視点や要素に関する多くの問いを用意することで、事象を様々な視点で強制的かつ徹底的に吟味するような方法をよく使います。
分析の例
仕事を分析する場合を考えてみます。
どのような要素に分けるかは、その目的によります。
仕事の効率化を図りたいのであれば、仕事を作業あるいは動作レベルまで分解し、個々の作業や動作の無駄をなくしたり、作業や動作自体をやめられないかを検討します。
仕事そのものの必要性や根本的な見直しを考えるのであれば、全く違う観点として、そもそもの目的は何か、求められる成果物は何か、必要なもの(情報、ツール、知識、スキルなど)は何か、といった要素に分けて検討することができます。