目標管理がうまく行かない理由
目標管理制度がうまく行っている組織は、それほど多くないようです。
よく聞く問題は、従業員に目標を決めさせると、必ず達成できそうな低いレベルで設定しようとするというものです。目標達成によって給与や賞与を決定していると、当然、人件費は高止まりします。
目標管理制度の元は、ドラッカーが『現代の経営』で提案した「自己目標管理」です。原語では、
management by objectives and self-control:目標と自己管理によるマネジメント
です。
自己目標管理は、ドラッカーによると、マネジメントの「哲学」(本質、根本原理)ともいうべき経営の根幹に当たるものです。ドラッカーの経営理論は、自己目標管理を中核として構築されていると言っても言い過ぎではありません。単なる手法やスローガンとは全く違います。
ところが、いわゆる目標管理制度として実施されているもの、少なくともうまく行っていない目標管理制度は、人事管理制度の一手法でしかありません。
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