非営利組織のミッション

非営利組織は優れたリーダーを求めます。リーダーに必要な資質を問います。

リーダーに必要なことは、自らを中心にして人やお金を惹きつけ、率いることができるようなカリスマ性ではありません。

リーダーがまずなすべきことは、明確なミッションを定めることです。

リーダーシップとは、ミッションによって進むべき方向を定め、ミッションに基づく仕事に率先して自らを従属させることを意味します。

リーダーとミッション

ドラッカーによると、非営利組織の関心は「リーダーの資質」だそうです。多額の寄付を集め、多くのボランティアを糾合するには、類稀なリーダーシップが必要であるという認識が強いのでしょう。

しかし、ドラッカーは、最初に必要なものは「ミッション」であると言います。リーダーがリーダーであるために必要なことは、カリスマ性ではなくミッションを定めることです。

リーダーは、自らの人間的魅力によって人々を引きつけ、率いるのではありません。明確なミッションという進むべき方向を示し、ミッションに基づく仕事に自らを率先して従属させる者こそリーダーです。

明確なミッション

ミッションは明確でなければなりません。

長期的、永続的なものであってもかまいませんが、複雑で曖昧なものであってはいけません。シンプルで明確なものであることが必要です。

よき意図であったとしても、それを詰め込みすぎないことが大切です。

明確であるとは、正しい行動をもたらすものであるということです。なすべきことが分からないのであれば、明確であるとは言えません。

具体的な目標、なすべき仕事を決めることができなければなりません。

ミッションの3本柱

ミッションは、強みを生かして成果をあげるものでなければなりません。そのためには、

  1. 機会
  2. 卓越性
  3. コミットメント

の3つの柱が必要です。

まず、機会すなわちニーズを知ることが必要です。機会のないところに成果はありません。

次に、強みを生かすことができなければなりません。手持ちの資源、能力によって世の中を変え、自ら基準となり得るか、そのための優れた仕事なし得るかを問うことが必要です。

最後に、その価値を心底信じ、大事だと思うことができることです。

目標を定める

ミッションは目標に具体化されることが必要です。達成が確認できるほどに具体的なものです。

具体的な目標によって、仕事が設定できます。

ミッションは長期的、永続的なもので構いませんが、目標は達成されたら変わるものでなければなりません。

ですから、活動の点検、改訂、廃棄を体系化することが必要です。スクラップ&ビルドの方針によって、仕事を一つ追加したら一つ削除するように決めなければなりません。

常に変化を観察し、

  • 最も役に立つものは何か
  • あまり役に立たなくなったものは何か
  • 意義を失ったものは何か

を定期的に検討します。