現場管理者の仕事

現場管理者は現場の最前線をマネジメントする存在です。事業の成果に直接貢献する仕事を第一線でマネジメントしています。そのため、働く人が最高の仕事を行ううえで必要としているものを最もよく知っている存在です。

明日の上位マネジメントを育成するためにも、彼らに、できる限り大きな仕事、権限と責任、組織単位を与えることが重要です。

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現場管理者は、文字どおり、現場の最前線をマネジメントする存在です。ラインの仕事、すなわち事業の成果に直接貢献する仕事を第一線でマネジメントしています。

そのため、働く人が最高の仕事を行ううえで必要としているものが何であるかをいちばんよく知っている存在です。

現場の従業員の仕事ぶりが、組織の直接の成果を決めていますが、その仕事ぶりに直接影響を与えているのが、現場管理者の計画と日程管理の能力であり、配置と訓練の能力です。

組織全体の目標を理解し、部下たちと協力して、彼らの仕事の目標を設定しなければなりません。

しかしながら、そのような重要な仕事を全うできるよう仕事を設計されている現場管理者は多くありません。ごった煮のような仕事を強いられ、書類づくりに忙殺されていることも少なくありません。

現場管理者はトップマネジメントから遠い存在となり、何が重要かもろくに知らされず、十分な権限も地位も与えられないまま、多くの仕事と責任を負わされていることがあります。

問題を解決するために唯一必要なことは、現場管理者の仕事を適切に組織することです。

まず必要なものは、明確な目標です。事業全体の目標に焦点を合わせたものであり、基本的な信条や原理の実現についての目標でなければなりません。

当面のニーズと長期のニーズをバランスさせた目標であることも必要です。

目標達成には責任が伴いますから、当然、目標達成に必要なすべてのものを自らの管理下に置く必要があります。

現場管理者こそ、事業の成果に直接関わる第一線の仕事、すなわち、仕事の計画や日程管理、働く人たちの指導、訓練、配置などについて、いちばんよく知っている人たちです。

彼らこそ、上位のマネジメントや専門職の候補として相応しい人材です。昇進の機会が、彼らにとっての重要なモチベーションとなります。

現場管理者には、明確に経営管理者としてのマネジメントの地位を与える必要があります。単なる現場監督にしてはいけません。

トップマネジメントをはじめとする上位のマネジメントが、現場管理者の話に耳を傾け、真剣に検討するだけの重要な地位を与えなければなりません。

現場管理者の仕事の大半を奪っている事務仕事を補佐する助手、部下の指導を補佐する助手（インストラクター）が必要です。エンジニアリング、原価計算、計画、人事に関する専門的支援（サービス機能）が必要です。

ただし、専門的支援を行うスタッフは、あくまで現場管理者の部下であることが必要です。目標達成の責任は現場管理者にありますから、そのために必要な権限もすべて現場管理者が持ちます。

自分の部下の採用、推薦、解雇、訓練、昇進、配置など人事に関わる権限も、現場管理者が持ちます。もちろん、人事に関わる決定は、マネジメント階層にかかわらず、その上司であるマネジメントの承認を得ることは条件です。部下の不服申し立ての制度も当然必要です。

自分の部門の仕事の適材を知ることができるのは、現場管理者を置いて他にありません。人事部では分かりませんから、人事部が選考することはできません。現場管理者が採用の権限を持つことによって、新人は自分が期待されていることを正しく理解できるようになります。

現場管理者が率いる組織単位は、できるだけ大きくする必要があります。

できるだ大きくすることによって、上記の要件を満たしつつ、現場管理者の地位と給与を高めることができるようになります。

さらに重要なこととして、現場管理者の仕事を上位マネジメント予備軍の訓練と試しの場として活用することができるようになります。