職務への統合と割当

仕事は客観的な存在です。生産的なものにするは、科学的管理法による徹底した分析による要素動作(要素作業)への分解と改善が必要です。

改善された要素動作は、最も論理的で効率的な順序に配列します。最終的に、一つのまとまりに統合します。

統合において、人の特性、働くことの力学を考慮することが必要になります。すなわち、職務として人に割り当てることを考慮する段階です。

仕事の分析

仕事の組織化には、ほとんどの場合、科学的管理法(IE)を適用することができます。

仕事の改善は、部分に分解し、部分ごとに改善し、部分を論理的な順序に再構成することで達成します。

まず、構成される要素動作(要素作業)を洗い出します。次に、各要素動作を改善します。無駄な動作をなくし、簡単にし、時間を短縮します。改善された要素動作を、論理的で効率的な順序に配列します。

仕事の統合

要素動作を一つの全体に統合します。

この段階において、人の特性、働くことの力学を考慮することが必要になります。

ひとまとまりの段階として独立させる

一つの完結したものとして統合することは必ずしも必要ではありませんが、ひとまとまりの段階として独立したものとする必要があります。

何故なら、仕事をやりがいのあるものにするためには、最低限、自分が担当する仕事の成果を確認できなければならないからです。成果を確認できるだけのまとまりに統合する必要があります。

スピードとリズムを調整できるようにする

人によって動作のスピードやリズムは異なります。

ベルトコンベヤによる流れ作業の一工程だけを受け持つような仕事は、自分のスピードとリズムで仕事をすることができません。

自分に割り当てられた仕事は、自分のスピードとリズムで行えるようにしなければなりません。自分の裁量でスピードやリズムを変えることができなければなりません。

前の段階の仕事のスピードに左右されたり、次の段階のスピードに影響を与えたりするようであってはいけません。

挑戦できるようにする

やりがいのある仕事は、ある程度の挑戦を求めるものでなければなりません。単純で簡単な仕事だけで構成されていてはいけません。一定の難易度をもった技能や、判断を求める要素を含む必要があります。

さらに、たとえレベルは低くても、計画の要素を持つことが必要です。自ら段取りを決められる要素を含めます。

現実の仕事は多様な要素を含みます。各要素の複雑さ、必要なスキルと判断の程度は様々です。ドラッカーによると、一人の仕事としてまとめる要素の種類は、一般的には次の法則に従います。

  • 必要とされる手先のスキルが多い場合は、要素の種類は少なくする。
  • 必要とされる判断が多い場合は、要素の種類を多くする。

チームをつくる

チームをつくるとは、ベルトコンベアの流れ作業のように、連続的に人を結びつけることではありません。チームに与えられる仕事は、先に述べた「仕事の統合」と同じ考え方を適用する必要があります。

ひとまとまりの仕事が、一人で行うには大きすぎたり、複雑で難しすぎたりする場合に、チームをつくる必要があります。チームとして協力することが、個人の利益とチーム全体の利益につながるようでなければなりません。

メンバー一人ひとりがチーム全体のニーズに最も合うように、自らの作業を配置できるようにします。時には、チーム内で配置を交換したり、一人の仕事を二人の仕事に変えたりできることも必要です。

人を配置する

以上のように仕事を組織化したとしても、その仕事に相応しい人材を配置しなければ成果につながるとは言えません。

組織の成果は、各自の優れた仕事ぶりで決まります。働く意欲だけではなく、より良い仕事をしたいという意欲が必要です。自らの強みを生かすことができ、成長できる仕事に就かせるということです。

チームにメンバーを配置する場合も、各自の強みが全体として生かされ、互いの強みが互いの弱みを補えるようにすることが理想的です。

人を最も適した仕事に配置するには、継続的で体系的な努力が必要です。ましてや、採用試験で分かるものではありません。働く人たちが仕事をよく知り、その人自身も周囲によく知られるようになることが必要です。

自分自身でさえ、その仕事をやってみなければ適しているかどうか分からないことがほとんです。

最も適した仕事を知るためにも、その仕事が生産的なものに組織化されていることが必要です。挑戦的で、成果を確認できる仕事であってこそ、自分の強みや弱みを明らかに示してくれます。

適した仕事を知ることは、上司の努力だけで実現できるものではありません。自分でも見つけ出す努力が必要です。