中企業のマネジメント

ドラッカーは、中企業こそ理想的な規模であると言います。大企業と小企業双方の利点に恵まれています。

  • 皆が互いを知っているので、容易に協力ができ、チームワークがひとりでに生まれます。
  • 自らの仕事、期待される貢献を知っています。
  • 資源は十分にあるので、基本的な活動を継続し、卓越性が必要な分野で他に秀でることもできます。規模の経済を手にすることも可能です。
  • マネジメントが容易です。

中企業のタイプ

ドラッカーは、3つのタイプをあげています。

単一技術、単一市場

最大の問題は組織構造です。職能別組織とするには大きすぎるため、弊害が生じます。擬似分権組織をコストセンター別に組織するか、チーム型組織としてのタスクフォースを多用するしかありません。

トップマネジメント・チームが必要です。良識活動をカバーし、自分たちが卓越すべき分野を明らかにします。また、この分野においてのみ思索し、計画し、助言するごく少数のサービススタッフ(企画部)を持つ必要もあります。

製品の種類と市場は複数だが、事業的には類似の特性を持つ。

連邦分権組織が使えます。部門内は機能別組織です。チーム型組織は、イノベーションの仕事以外では必ずしも必要ありません。

トップマネジメント・チームは、チーム型組織を適用します。本部に置く企業全体のチームと、部門ごとのチームが必要です。

部門ごとのチームには、全体のチームからメンバーを迎え入れますが、部門の長の補佐として位置づけます。

複数の事業を持つが、いずれも相互依存関係にある。

トップマネジメントには、2つの軸があります。

  1. グループ全体のトップマネジメント・チーム
  2. 独立し、自立した部分としてのトップマネジメント・チーム

事業間の相乗効果を期待しているため、3つ目のトップマネジメント・チームが必要になります。全体のトップマネジメントと各部門の長で構成されます。

  1. 互いの影響の与え方を見て、どのような形で貢献し合うかを考えるトップマネジメント・チーム

中企業の成功法則

中企業とは、結局のところ、特定の重要な分野でリーダー的な地位にある企業です。

卓越性が必要な分野(ニッチ)では、大企業のように行動できます。資源のすべてをあげて、成功の基盤である分野を確保します。強みを強化するためのイノベーションに取り組みます。

そうでない分野では、最小限のことしか行うべきではありません。